Journal

2021 Apr 14
Helte's Story

Sailer Journeys Story_08

「ああ、日本語が話せたら・・・」旅先でハプニング

ファンさん(50代)台湾

独学で勉強開始

4年前の夏休みのことです。家族旅行で東京ディズニーランドに行きました。それまで2回ほどガイド付きの団体ツアーで日本に行ったことがありましたが、その時は初めての個人旅行でした。そういう時に限ってハプニングが起こるものです。

成田空港から電車で東京ディズニーランドに向かったのですが、電車がなぜか途中の駅で止まってしまいました。「なぜ? どうして動かないの?」。理由がわからず、近くにいた人に英語で聞いてみました。でもその人は、両手を胸の前で交差させて「バツ、バツ」と、ジャスチャーするばかり(笑)。困っていると、幸い言葉の通じる駅員さんがいて「台風の影響で電車が止まっている。東京ディズニーランド行きのバスが近くから出ているから、それに乗りなさい」と教えてくれました。親切にバス停までの地図も書いてくれ、無事たどり着くことができました。「ああ、日本語が話せたらなあ」。その時、心底そう思ったのです。

4年前、家族旅行で東京ディズニーランドへ

もともと日本のテレビドラマが好きで、台湾でも見られるNHKの連続テレビ小説は欠かさず見ていました。「そうだ、この機会に日本語を勉強してみよう」。旅先での出来事をきっかけに、以前から関心があった日本語に挑戦してみる気になりました。まず本を買ってきて独学で始め、今は週一回日本語教室に通っています。

ただ、教室では台湾人の先生から文法などを勉強することが中心で、肝心の会話の学習はあまりありません。何かいい日本語会話の勉強法はないかと、インターネットで探して、Sailに出会いました。昨年11月のことです。お試しから始めたのですが、日本の皆さんがとてもやさしく、私にもわかるようにゆっくりと、わかりやすく話してくれました。しかも定額で何回でも話せると知ってびっくりしました。すばらしいです。食べ放題と一緒、話し放題ですからね(笑)。  

昨年、それまで勤めていた経理関係の仕事を退職し、比較的時間はありましたので、それから毎日2、3回は会話しています。緊張して日本語もたどたどしかった最初の頃に比べ、今はだいぶ話せるようになりました。日本のことわざにあるように「習うより慣れろ」ですね(笑)。そして日本語に不慣れな私の会話の相手になってくださった皆さんに感謝です。今回インタビューに協力させていただいたのも、皆さんに感謝の気持ちを伝えたかったからです。

東京都葛飾区の亀有で。日本のアニメ「こちら葛飾区亀有公園前派出所」は台湾でも大人気

「同じようで違う、違うようで同じ」

Sailは、日本の皆さんが実際に使っている生の言葉を学べるところがいいですね。たとえば、日本のドラマを見ていると「おいしい」と言ったり、「うまい」と言ったりします。違いがわかりませんでした。辞書ではどちらも「味がよいこと」としかありません。でもSailの会話で「うまいは主に男性、おいしいは少し上品な言い方で女性が使うことが多い」と教えてもらい、なるほどと納得しました。

こんなことにも気づきました。「娘」という漢字は日本でも使いますよね。日本のドラマで「これは私の娘です」と、男性が若い女性を紹介するシーンがありました。「娘」の字幕を見て私は頭の中が「??」でした。なぜなら台湾では「娘」は母親のことなのです(笑)。同じ漢字なのに意味は違います。面白いですよね。でも逆にこんな言葉もありますよ。日本では男性のスーツのことを「背広(セビロ)」というでしょ。台湾でも「セビロ」と言います。これは日本統治時代の日本語が、今もそのまま台湾の言葉として使われているのです。

「同じようで違う、違うようで同じ」。日本語を勉強していると、台湾と日本の深い関係も見えてきて、ほんとうに面白いです。

これは余談ですが、台湾では最近、こんなニュースが話題になりました。日本の回転寿司チェーン「スシロー」の台湾の店が、「鮭魚」の漢字が名前に入っている人は、身分証を見せれば無料ですしを食べられるキャンペーンをやりました。同伴者も含め6人までただです。すると若者たちの間で評判になり、戸籍上の名前を変える若者が続出しました。台湾では生涯に3度まで改名できます。しかも手続きは簡単で役所ですぐにできます。改名して仲間と「スシロー」に行き、食べたらまた名前を元に戻す若者たちがあらわれ、社会問題になりました。まじめな人が多い日本の人たちはこんな話、信じられないでしょ(笑)。日本の方に話すと、皆さんびっくりします。

私は、覚えた日本語を生かして観光ガイドのボランティアをやりたいと思っています。日本語を教えてくれた日本の皆さんに恩返しをしたいのです。そのために今、日本語能力試験の2級合格を目指しています。今はコロナで無理ですが、収束したらぜひ台湾に来てください。台湾には日本統治時代の歴史的な建物が今も数多く残っています。蔡英文総統が執務する総統府(旧台湾総督府)の赤レンガ造りの建物をはじめ、多くは今も現役で使われています。そんな建物群をめぐる旅も、台湾と日本の歴史を知ることができて面白いと思います。ぜひ日本の皆さんをご案内したいです。

これからも日本の皆さんと、Sailでたくさん交流できたらうれしいです。もし中国語を勉強したい方がいたら、教えます(笑)。Sailでお互いに言葉を教え合えたら、それも楽しいですよね。

(聞き手・ジャーナリスト橋本節夫) 

Sailのホームページはこちら
SNSはこちら
動画コンテンツのご視聴はこちら