SailerインタビューVol.14
(写真は2014年、セネガルのダカールで)
JICaボランティアで2度アフリカへ
山崎さん 千葉県
PCインストラクターとして教育現場にも
子供の頃「ヒマラヤの孤児マヤ」という本を読んで、私は強い感銘を受けました。いつか私はこの人たちのところに行ってみたい、子供心にそう思いました。その頃、結核などで命を落とす人たちが多かったネパールに医師として派遣された日本人夫婦が、医療活動をしながら、病気と貧しさで孤児になった女の子を引き取って育てる話です。
本のあとがきに、古切手を集めてネパールに結核予防のBCGワクチンを送る古切手運動をしている団体が紹介されていて、私はせっせと古切手を集めてはその団体に送っていました。大人になってから、国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊としてアフリカのタンザニアとシニアボランティアとしてセネガルに行きました。原点は子供の頃のそんな体験にあったように思います。
私はシンクタンクでPCインストラクターとして勤務した後、コンピュータ関連企業で教育現場などにパソコンを導入する仕事に主に携わっていました。今でこそ子供たち一人ひとりにタブレット端末を配布する時代になりましたが、その頃はまだ教育現場ではほとんどコンピュータの活用が行われていませんでした。
当時取り組んだ仕事の中で印象深かったのは、学校と不登校の子供をメールやインターネットでつないで教育を試みる事業でした。都内の自治体の取り組みにPCインストラクターとして関わり、子供の自宅まで行き、パソコンを使えるようにサポートするのが主な役割でした。
その中に中学3年まで2回しか学校に行っていないという女の子がいました。なぜか私とは心が通じ、その後もメールのやりとりが続きました。その子がある時、将来はパソコンを使って絵を描く仕事をしたい、とメールをくれました。大変なこともたくさんありましたが、パソコンを使えるようになったことが彼女の将来の夢につながったのかと思うと、とてもうれしかったのを覚えています。
子供のころからの夢を実現
そんな仕事をしていた頃、シンクタンク時代の後輩がJICA青年海外協力隊のコンピュータ技術隊員として、アフリカのモロッコに派遣されました。たまたま遊びに行った私は後輩がパソコンの指導方法について、多くの悩みを持っていることを知りました。彼女はコンピューターシステムの技術者でしたが、PCインストラクターの経験がなかったのです。一方、私はPCインストラクターの経験があったので、その場で自分ならこうしたいといったアイディアがいくつも思いつき、直接アドバイスもしました。
それをきっかけに、海外で活動してみたいという子供のころからの夢に再び火が付きました。でもその頃の私はすでに結婚していましたし、PCインストラクターの職種は協力隊の募集対象になっていませんでした。半分あきらめかけていたのですが、ある時、新たにPCインストラクターが職種として追加されたのを知りました。
反対されるのではと心配した夫は、意外にも逆に背中を押してくれました。研修を受け2008年、アフリカのタンザニアへ青年海外協力隊として2年間の任期で赴任しました。
派遣されたのは首都のドドマという街です。中心都市のダルエスサラームから500キロほど内陸に入ったところにあり、首都といっても新しくつくられた街でそれほど大きな街ではありません。行ってみると、イメージはいい意味で覆されました。まず街は、整備され緑も多くとてもきれいでした。またその頃日本はまだガラケー全盛でしたが、首都ドドマに限らずタンザニアではすでに、1台で2つの携帯回線を使えるダブルSIMのスマホを持っている人もいるし、私の生徒の多くは携帯電話を持ち、しかもかなりの田舎でも通じるのは驚きでした。
私の活動は職業訓練校の秘書科で10代から20代の女性たちに、秘書としてワードやエクセルを使いこなせるようパソコンの使い方を基本から教えることでした。生徒たちは皆優秀でしたし、今日はこれをやろう、明日はあれをやろうって、毎日がほんとうに楽しかったです=写真。
問題は暮らしの方で、最初の頃は頻発する停電と断水に悩まされました。言葉も授業は英語ですが、日常使うのは部族語やスワヒリ語です。でも住めば都、なんとかなるものですね。
考えてみればもともと冷蔵庫も洗濯機もテレビも持っていなかったので、停電しても実はさほど困りませんでした(笑)。水も出る時にためておけばいいんだと気づいて気が楽になりました。だいたい明け方に1時間ぐらいは出るので、蛇口からごぼっごぼっと音がしたら、跳び起きて50㍑のタンクに水をためておきます。食料も卵は1個から、塩も小さじ1杯から近くの店で買えるので、冷蔵庫がなくてもその都度食べる分だけ買えば、かえって新鮮なものが食べられました。買い物などで日常使う現地語は生徒たちから教わりました。日本と同じにやろうと思わず、郷に入れば郷に従え、ゆったりあせらずやればいい。そう思えばかえってのんびり暮らせるとわかりました。
2年間の任期を終えて帰国後、4年後に今度はアフリカ大陸西端の国セネガルに、JICAのシニアボランティアとして1年間行きました。任地はダカールという街です。かつてダカール・ラリーで知られたところです。ここには夫も随伴して、1年間主夫をしてくれました(笑)。
セネガルの思い出は何といっても人々のやさしさです。「テランガ」というおもてなし文化があって、知らない人でも必ず分け与えて飲んだり食べたりするのです。私もどうぞって、お茶や食べ物をよくすすめられました。たとえば家の近くで仕事をしている人たちがいると、ご飯を多めに用意して道端で振舞ったりします。それが自然なんです。
ダカールでもPCインストラクターとして職業訓練校の授業をしましたが、生徒たちは皆、競争するより、教え合ったり助け合ったり、とても仲がいいのです。イスラムの教えなのでしょうか。外国人の私にも、皆さん分け隔てなくとてもやさしくしてくれました。おかげでセネガルも大好きな国になりました。
その後、実は夫も私の影響か、2016年から2年間、シニアボランティアとしてカンボジアに行きました。その時は私が随伴しました その2年間、私は王立プノンペン大学の語学クラスでクメール語を学びました。そこには日本語学科もあり本当にたくさんのカンボジア人が日本語を学んでいました=写真。私は彼らとクメール語と日本語の交換学習をし、日本語を教える楽しさを知りました。
海外の体験を通して学んだことは、人はそれぞれバックグラウンドがあり、考え方も価値観も違うということです。それを実感してから物事を多面的に見るようになりました。たとえば国際ニュースひとつとっても、こちらと現地とではまるで見方が違うことがよくあります。一方の情報だけをうのみにせず、多面的に考え最後は自分で判断する、そういう思考が身についたように思います。
Sailは去年の夏ごろ、NHKで紹介されたのを見て知りました。ちょうどコロナ禍でどこにも行けなかった時期でしたし、これは楽しそうと思い、すぐ登録しました。最初の会話はチリに住むベネズエラ人の女性でした。南米へは行ったことがなく、海外の方と日本語で、しかも自宅で話せることがとても新鮮で驚きでした。世界は狭くなったもんだって(笑)。
Sailのよいところは、海外の方が一般の日本人と気軽に会話できることだと思います。私も語学の勉強はさんざんしましたが、語学学校で学ぶ会話と、現地の言葉がまるで違うことが多く、ずいぶん苦労しました。開発途上国でもスマホは想像以上に普及しています。気軽に使えるアプリで日本人と1対1で日常会話を学べるのは素晴らしいことです。
海外にはこれまで50か国ほど行っています。今はコロナで身動きがとれませんが、収束したら、カンボジアからバスや鉄道を乗り継いでアイルランドまで行き、帰りはシベリア鉄道でウラジオストックまで戻る。そんな沢木耕太郎の本「深夜特急」のような旅をしてみたいですね。今まで滞在した場所にも再度長期滞在して、生徒たちの成長ぶりや国の移り変わりをもう一度見てみたいです。
(聞き手・ジャーナリスト橋本節夫)
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