SailerインタビューVol.8
Sailは毎日のルーティン
ひさえさん(70代) 東京都
去年の7月ごろだったと思います。NHKEテレの「あしたも晴れ!人生レシピ」というシニア向け番組でSailが紹介されているのを見ました。えっ、こんなことができるんだ、私にぴったりって。もうその日のうちにネットを検索して登録しました。英語ができれば外国の方とも話せますが、それはなかなか難しいでしょ。でも日本語で世界中の人たちとお話できるなんてすごい、どうして今まで知らなかったんだろうって思いました。
私は人と接することが大好きなんです。長いことホテルで人に接する仕事に携わってきました。外国の方と接する機会も多いので、そうした皆さんともお話したくて、英会話の学校に通ったり、英会話カフェに通ったり。でも趣味レベルの勉強では、なかなか普通に会話できるようになるまでは大変です。ですから、日本語で世界中の皆さんとつながれると聞いて、すぐにやってみたいと思いました。
最初の会話はペルーの若い男性の方でした。日本から見れば地球のちょうど反対側、そんな遠い国の方と今、こうしてお顔を見ながら話している、もうそのことだけで感動して、私が一方的にその思いを話してしまいました。相手の方にはご迷惑だったかもしれません(笑)。私たちの世代にとって、遠い国の方とお顔を見ながら自宅で会話できるなんて、それだけで驚きです。
今は毎日、Sailで海外の皆さんと話すのが日課になっています。主人が寝た後の夜9時過ぎが私のSailタイム。今日はどんな方とお話できるかな、と想像しながらパソコンをクリックするのがとっても楽しみ。私の毎日のルーティンになっています。初めての国の方だったりするともうわくわくです。ブラジルの方と話した時は、僕尺八をやってるんですといって演奏してくれました。ブラジルの方が吹く尺八の音を遠く離れた日本で聞くという不思議な体験でした。何回もお話している台湾の方とは、共通の趣味や旅行のお話で盛り上がったり。多分私の趣味のことは主人より詳しいです。ほかにもモンゴルやミャンマー、ベトナム、インドネシア、メキシコなど、数えきれないくらいたくさんの国の皆さんと話しました。
日々の生活の中にこんな時間をもてるなんて。しかも相手は遠い国の皆さん。なんかすてきですよね。Sailってほんとうに素晴らしい取り組みだと思います。
海外の出来事やニュースにも関心
Sailを始めてから、海外の出来事やニュースに関心をもつようになりました。ミャンマーでクーデターがありましたが、ミャンマーの皆さんとはよく会話しますし、私自身行ったことがある国なので、とてもひとごととは思えませんでした。ネットが遮断されてしまったのか、音信が途絶えています。5月に介護の仕事をするため日本に来ると言っていた方もいらっしゃったので、今どうしているんだろうととても気になります。
私は海外へ旅するのが大好きで、コロナ前は毎年のように出かけていました。おまかせのツアーではなく、自分で調べて現地の宿も自分で予約して行くのが私のやり方です。旅って、苦労しながら目的地にたどり着くまでの道中だったり、ハプニングがあったり、そこが面白いでしょ。
特に東南アジアの国々は、あのルールがあってないような、混沌としてゆるい雰囲気が大好きで、ほとんどの国へ旅行しました。ミャンマーもちょうど5年前の水かけ祭りの時期に旅行仲間7人で行きました=写真。ミャンマーのお正月は4月、水かけ祭りはお正月前に、1年のけがれや、悩み苦しみを、水で洗い流して新年を迎えるとの意味があるそうです。
水をかけるといってもバケツとかそんなかわいいもんじゃないんです。街のあちこちから歩いている人めがけていきなり太いホースで水をかけられるんです。私なんかもう下着までびしょ濡れ。お願いもうかけないでって、叫びながら逃げ回ってました(笑)。今年はどうなるんでしょう。
コロナで今は大好きな海外旅行もできませんし、外を出歩くことさえままなりません。そんな日々の中、Sailで外国の皆さんと話すことが、今の私の一番の楽しみです。
(聞き手・ジャーナリスト橋本節夫)
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