Journal

2021 Mar 03
Helte's Story

Sail user Journeys Story_06

わが家は日本と同じ、土足禁止

Selegnaさん(30代)メキシコ

小学校の教師をしていた両親は結婚してすぐ、夫婦で日本に留学しました。広島大学で2年間、日本の教育について学んだそうです。両親が帰国して1年後に私が生まれました。

私は、両親から日本の話をたくさん聞いて育ちました。わが家は日本と同じように家の中は土足禁止です。お客さんが皆びっくりします。

幼稚園から高校までインターナショナルスクールに通い、日本語はそこで学びました。日本人の先生や生徒もいて、幼稚園の頃は日本の童謡を歌ったり、日本人のお友達と遊んだりしました。メキシコの学校にはない運動会や学園祭もあって、楽しい思い出ばかりです。

大学卒業後は10年ほど、コンサルタント会社で、企業の情報システムを構築するプロジェクトマネジャーをしました。昨年9月に独立して、ペットの洋服ブランドを立ち上げました。今はその会社を経営しています。といっても社員はまだ私一人ですが(笑)。

高校まで日本語を学びましたが、メキシコでは話す機会がほとんどなく、会話はあまりできませんでした。数年前、たまたま「Helte社」について書かれたメキシコのブログを読みました。「Helte」(デンマーク語で夢や希望を与える人の意味)の言葉の響きがとても気に入り、ずっと記憶に残っていました。でもその時はまだSailは知りませんでした。しばらくして、また日本語を勉強してみたいなと思いながらインターネットをみていて、Sailを見つけました。2019年のことです。ああ、あのHelteのアプリか面白そう、と思ってすぐ登録したのですが、私の日本語が通じるのか、とても不安でした。

最初の会話は、緊張してうまく話せませんでした。でもあきらめてはいけないと思い、2回目に挑戦しました。やはりあまり話せませんでした。それでもあきらめずにもう一回やってみようと3回目に話した相手の方が、とっても面白い人でした。緊張が解け、まるで昔からの友達のように話すことができました。その人は「マナブゴトウ」(Helteの後藤学さん)でした(笑)。その会話のおかげで、Sailを続けることができました。

 

トルティーヤづくりを実演

今は毎日Sailで日本の皆さんとお話しています。教科書にはない「サイコー!」なんていう言葉もSailで覚えました。私は日本の文化や神社、寺院、仏教にも関心があります。先日は、「瞑想(めいそう)」について話してくれた方がいて、とても興味を持ちました。メキシコの文化にはない世界です。日本もメキシコもそれぞれとても深い文化をもっています。今度はメキシコの世界遺産についてお話したくて今勉強しています。料理の話もよくします。メキシコの食べ物「トルティーヤ」の話題になった時は、私がカメラを持って台所に走り、作るところをお見せして盛り上がりました。皆さん、メキシコのことにとても関心をもって聞いてくれるので、私もうれしいです。

日本には中学3年生の時、初めて行きました。インターナショナルスクールの旅行で2週間ほど滞在し、北九州市の家庭にホームステイしました。15歳のプレゼントに両親が行かせてくれたのです。日本の中学生たちとキャンプしたり、山登りして温泉に入ったり。ホームステイ先のお母さんから着物をプレゼントしてもらい、その家の姉妹と一緒に写真を撮りました。今も忘れられない楽しい思い出です。

2年前には一人で東京や京都を旅行しました。京都の天橋立に行った時は、駅の券売機の前で困っていると、通りがかりの人が親切に切符の買い方を教えてくれました。行く先々で日本の皆さんの親切に触れることができ、とてもよい旅になりました。京都へ向かう新幹線の中で、両親が住んでいた広島へ急に行ってみたくなり、足をのばしました。「とても大切な歴史」と、いつも両親が話していた平和記念公園の原爆ドームへも行き、メキシコに動画を送りました。2人ともとても懐かしがって、私にとって特別な思い出になりました。コロナが収束したら、ぜひまた日本に行ってみたいですね。

京都 天橋立にて

私には今、1歳の息子がいます。両親が私にそうしてくれたように、私も息子に日本の文化や言葉をたくさん教えてあげたいと思っています。そしてメキシコには大勢の日本語を学ぶ人たちがいます。将来は何かその人たちの手助けをできないか、とも考えています。Sailを通してこれからも日本の皆さんとたくさん交流したいですね。    

(聞き手・ジャーナリスト橋本節夫) 

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