Journal

2021 Jul 15
Helte's Story

Helte History -Episode3/5-

「何者でもない僕 -後編-」

 Helte 後藤 学


「夢見るニート」の1年間

ゼロからの出発に一人焦る日々

具体的に何をすればいいのかという考えも何一つ持っていないまま、全くのゼロの位置に着きました。スタートできるのかもさえわからない状態。幸い実家暮らしでしたので、あとは80万円の貯金を切り崩しつつ、一人で悩みながら勉強を始めました。
「グローバルに活躍する必須スキルは英語、IT、財務の3つ」と大前研一さんが語る記事を読んだことがあり。そこでまず、専門学校へ通い簿記2級を取得し、プログラミングの学校に通い、ブラッシュアップのために英語も習いに行きました。

同時にどんなビジネスができるか、ウェブサイトを見ながらノートに書き出したり、起業コミュニティに参加しながら、ビジネスのヒントを見つけようと模索していました。一緒にビジネスをしたいと思う友人はいましたが、なんの形もできていないままでは誘うことはできず、「まずはビジネスプランを立てて、会社を立ち上げないと何事も始まらない」と、一人で焦っていました。

「新興国の人たちに貢献し、教育の質を上げる」をビジネスの形にしたい。東南アジアを放浪したとき、日本への評価が高く、日本語を学習している人たちの多さにも驚きました。けれど、皆、口を揃えて言うのです。「日本語を学びたいけど、日本に行くお金がない」、「日本でいずれ仕事をしたいから日本語がうまくなりたいけど日本人と会話をするチャンスがない」と。僕のように留学や海外を放浪できる人たちはほんのわずかです。現地にいるままで日本語の勉強ができる方法はないだろうか。何か手段があるはずだと感じながら帰国したことも思い返しました。

2013年、インドネシアで出会った人々

事業アイデアは浮かんでもお金がない

毎日、どんなビジネスができるか、ノートに書き出すことを繰り返すうちに、日本に興味があって日本語を勉強したい外国の人たちの困り事解決を、アメリカのおばあちゃんとスカイプをして思ったシニアの経験を生かすということで解決できないかなと思い始めました。
日本のシニアを巻き込み、余裕ある時間と豊富な人生経験を生かして、オンラインを通じて外国の人と日本語でおしゃべりをしてもらう。「新興国の人に貢献する」だけでなく、「先進国の高齢者に貢献する」という思いも加え、なにかできるはずだと感じられました。今のSailの原型となる事業アイデアでした。

事業アイデアができても、お金がなくて会社を立ち上げることができません。そこで投資家と呼ばれる人の元を訪ねて歩きました。でも、どこも門前払いです。今でこそ、社会課題に取り組むソーシャルビジネスは、企業の価値を高める位置付けにもなっていますが、僕が動いていたのは「国連持続可能な開発サミット」(2015年9月)で、持続可能な開発目標(SDGs)が採択される少し前。ソーシャルビジネスは価値を認めてもらえず、どこからも相手にされませんでした。

でも、やるしかないと、毎朝毎晩「他の人が協力的であるかどうかではなく、まず自分が始めなきゃいけない」と自分に言い聞かせていました。裏を返せば、毎日が不安でいっぱい。だいたい僕は、初めての方とはコミュニケーションを取るのが苦手。ビジネス交流会も実は苦手で、時間潰しにトイレにこもってしまうこともあったほどです(笑)。

今思えば、この1年は夢見るニートでした。

毎日ひたすら書き続けた、準備期間のノート


最初の資金調達

「そのビジネスには価値がある」

ビジネスプランは徐々に出来上がってきても、資金がなく前に進めずにいた2015年12月。台湾に暮らす友人のお姉さんの結婚式に呼ばれました。友人のお父さんはフランス人、お母さんは日本人。以前からとても気さくに僕を受け入れてくれ、何度も遊びに行っていたので、起業の話も打ち明けていました。
結婚式が終わってから、「今はこんなビジネスを考えているんだけど、資金がないためスタートを切れずにいる」と、僕がお父さんに打ち明けると、「どんなビジネスだ?」と聞いてくれ、考えているビジネスの具体的な内容を話してみました。すると、すぐに「そのビジネスは価値がある。私がバックアップしよう」と言うのです。
驚きました。いつも遊びに行っていた家の、時々穴の空いた靴下を履いている素朴なフランス人のお父さんは、実は投資家だったのです。彼は世界各地でジュエリー系のビジネスを展開し、ソーシャルビジネスなど社会的に意義のある事業に投資をしている人でした。

「まずは登記をしなさい」と、結婚式の帰りにお金を渡され、それから毎月一定の額を振り込んでくれました。以前から僕が父親のように慕い、友達のようにも接していた友だちのお父さんは、その時から僕のビジネスのメンターであり、最初の投資家になりました。僕の恩人でもある、その人の名はクロードさんです。

クロードさんと、帰国時の空港で

誰もが小さなヒーローになれる

帰国後、すぐに登記の準備をし、2016年3月に株式会社Helte(ヘルテ)が誕生。「ヘルテ」はデンマーク語でヒーローという意味です。夢や希望を与えるというニュアンスも含まれています。
僕には、誰しもが小さなヒーローになれるという思いがずっとありました。ヒーローというと英雄とか華々しく活躍した人のイメージがありますが、そんな華々しさは必要なくて、内面からくる強さが大切だと思うのです。例えば、アジアを旅していて、道に迷った時、言葉は通じなくても助けてくれたり、笑顔をくれた人、友だちが悩んでいる時に横にいて話を聞いてあげられる人。誰かにちっちゃな勇気を与えるアクションができる人こそが、僕にとってのヒーローです。
そんな人たちの居場所となれるプラットホームができたらいいなと、「ヘルテ」と名付けました。シニアの人も海外の人を勇気づけることができる。海外の人も自分たちのことを伝えることでシニアの人が元気になれる。そういう温かい居場所を作りたいと思いました。

(聞き手・officeSAYA  小出広子) 

>>Episode4/5へつづく

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