私がSailを応援する理由~ブレークスルーパートナーズ株式会社・赤羽雄二さん~
特別インタビュー
「分断のない活力のある社会を創る」を理念に掲げる株式会社Helte。
Helteが運営する日本語でのグローバル・コミュニケーション・サービス『Sail』を応援してくださっている方々へのインタビューシリーズです。
今回は、マッキンゼーのコンサルタントとして1990年代に韓国企業、特に財閥企業の経営改革に取り組み、その後の躍進をサポート。現在は大企業に対してのコンサルティング、ベンチャー企業への投資、連携などに注力する赤羽さんに、Helteとの関わり、期待することなどをお聞きしました。
赤羽 雄二(あかば ゆうじ)さん
ブレークスルーパートナーズ株式会社
プロフィール
東京大学卒業後、小松製作所勤務、スタンフォード大学大学院へ留学、その後世界的コンサルティング会社マッキンゼーに14年の経歴を持つ。2002年ブレークスルーパートナーズ株式会を共同創業。34万部のベストセラー『ゼロ秒思考 頭が良くなる世界一シンプルなトレーニング』(ダイヤモンド社刊)をはじめ、著書は国内24冊、海外25冊、計115万部。
Sailスタッフが聞く! ~その1~
Sailに期待すること
インタビュー
日本発の世界的ベンチャーを1社でも増やしたい
私はベンチャーの共同創業・経営支援と大企業の経営改革に取り組んでいます。
大学を卒業して、小松製作所で8年、うち2年間はスタンフォード大学大学院に留学し、その後、マッキンゼーで14年間、大企業の経営改革の仕事をしていました。
後半の10年間は、ソウルでLGグループの経営改革に取り組んでいました。
インターネットの発展につれ、シリコンバレーでは次々とベンチャーが生まれ急成長しました。ところが、日本ではなかなかそうはならない。そこでマッキンゼーを辞めたあと、「日本発の世界的ベンチャーを1社でも増やしたい」と、ブレークスルーパートナーズを共同創業しました。
ソニーやトヨタ、パナソニック、シャープなど、30年前は世界的企業として名を成していましたが、皆すごい勢いで競争力を失っています。
日本企業の問題点は、経営力が弱いことです。「こうすれば会社が強くなる」ということに対して本気で取り組むことが大変難しい。
今であればIT化が大変弱いので、世界的にはAmazonであるとか、あるいはFacebook、Google、AppleといったIT化を上手く活用した上で事業構造改革を突き進んできた会社は、100兆円、200兆円を超える時価総額となっています。
日本は一番大きな会社がトヨタで、時価総額が33兆円(
日本の会社は事業構造改革、IT化が進んでいません。そこをなんとか変えていきたい。
そして、世界的な会社を見出していくことが、私の仕事の意義であり、やりがいですね。新しい企業を、世界的企業に成長させていきたいという考えです。
個人の意識改革へも注力。ワークショップ、講演活動も活発に
日本企業、日本の将来への危機を感じていますが、同じ理由で個人へ向けて意識改革、問題把握や解決力を培ってもらいたいという思いがありました。
そして書いたのが『ゼロ秒思考』です。2013年の出版以来多くの方に読んでいただいていますが、この本をベースに、ここ2年間で200回以上のワークショップ、講演、オンラインセミナーやクラブハウスなどで活動をしています。
多くの人は成長し続けたいと考えているはずですが、毎日となると悩みなど頭がモヤモヤすることも多く、うまくいかない状態に陥ることもあるはずです。
そんなときに頭を整理する方法です。
簡単にいうと、A4用紙を横置きにして、1分間と時間を区切り、左上にタイトルを書き、その時の思いを4〜5行、文字数で20〜30字書く。それを毎日10枚書いてみる。
3週間ぐらい続けるとモヤモヤが消えて頭が整理されます。日本人全体がモヤモヤしていて、本来自分のやるべきことがやれていない中、一人一人がもっと具体的にものを考えることができるようにと思ってみなさんにすすめています。
私とSailとの関わり
1億人が日本語で日本を伝えることができる
私の活動はさておき、私とSailの関わりですが、最初、後藤さんから数回、メールをいただき、私のオフィスで彼にお会いしました。私は、熱心な方だと思えば会います。熱心な方は何かやるであろうと思うからです。
実際にお会いした後藤さんは、熱意があって向上心があった。頭も良くて、ご自身のビジョンを明確に持って追求している。そう感じたので支援することにしたのです。
まず、「日本語を勉強したい、日本語で会話をしたいという方が世界中にいる」という彼の考え方が素晴らしいことですよね。
「日本語を勉強する。日本語を学ぶ人が日本に興味を持つ。日本の文化を知る。日本に友達ができる。そうなれば、その国を攻めようとは思わなくなります。ですからSailというアプリは、日本の安全保障上からも大変重要です」
後藤さんの話を聞いたときに、そのように申し上げました。
日本語で会話をすることで、日本人も海外の人もお互いに学び合う。これが、FacebookでもTwitter、LINEでもできない、Sailの圧倒的な価値です。
健康寿命100歳の時代へ向けて
2020年秋に『LIFESPAN(ライフスパン):老いなき世界』(東洋経済新報社刊)という本が出ました。著者は、デビッド・A・シンクレア、ハーバード大学医学大学院遺伝学教授。この本が大変素晴らしいのでSailerの方にはぜひおすすめしたいですね。
今後医療面で有望な療法、治療法がいくつか実現するだけでも、なんの病気もない方は健康な状態で100歳を迎えられるだろう、という内容が書かれています。健康な状態、健康寿命とは元気で自立した日常生活を送れる期間のことです。
今、日本の平均寿命は女性が87.74歳、男性が81.64歳ですが、寝たきりになったり、介護や支援が必要になってくる期間が平均9〜12年もあるそうです。
健康寿命が100歳になれば、今50歳の方はそこから50年フルに働ける。70歳の方も30年働ける時代に、まさになりつつあるのです。
そのように考えると「今何歳だから」とか、「自分は高齢だから」という言い訳はできません。
日本人の平均寿命が男女共に50歳を超えたのは1947年頃ということで、そこから寿命は飛躍的に伸びましたが、これから健康寿命が100歳になると思えば、SailのSailerさんはシニアが中心といいますが、「シニア」という言葉もなくなりますよ。
60歳で引退とかは論外で、80歳でも90歳でも、それぞれが日々の暮らしに価値を見出して、当然ながら評価されてちゃんとした収入を得られて。そうなればGDPも上がりますし、介護というものもあまりいらなくなる。医療費も下がる。世の中は日々変化していきます。
そんな時代が来るのですから、現在シニアと呼ばれているみなさまも日々元気でやりましょう。そんなメッセージをSailerのみなさまへも送りたいですね。
ちなみに、私のずっと元気でいる秘訣は、常に前向きでボジティブな考えをすること。できる努力は最大限やる。PDCA(計画・実行・評価・改善)はひたすら回す。できることはなんでもやることです。
Sailスタッフが聞く! ~その2~
赤羽さんにとって「分断のない活力ある社会」とは?
Helte 後藤代表が見た赤羽さん
#特別インタビュー #私がSailを応援する理由 #ソーシャルインパクト
(聞き手・officeSAYA 小出広子)
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